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荒川修作+マドリン・ギンズ VR作品公開プレイベントを開催します

  • 2022年8月25日

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《問われているプロセス/天命反転の橋》 1973-89 
Photo: 上野則宏 © 2016 Estate of Madeline Gins. Reproduced with permission of the Estate of Madeline Gins.

国際芸術祭「あいち2022」の参加作家である荒川修作+マドリン・ギンズの展示作品に関連したトークイベントを開催します。

荒川修作とマドリン・ギンズは、共に哲学・科学・芸術を統合する創造家を意味する「コーデノロジスト」を称し、1960年代初頭から共同制作を行いました。《問われているプロセス/天命反転の橋》(1973-89)は、フランスのエピナール市、モーゼル川に荒川とギンズによる設計の橋をかけるプロジェクトであり、二人が初めて構想した建築作品でした。このプロジェクトは実現には至りませんでしたが、全長140mの橋の1/10模型が荒川・ギンズの監督下で制作され、同作が本展に出品されています。

この度「あいち2022」の会期中に、物理学者・メディアアーティストの池上高志氏を中心とした開発チームによって制作された、《問われているプロセス/天命反転の橋―2022 VR版》が初公開されるにあたり、記念プレイベントを開催します。池上高志氏率いるオルタナティヴ・マシンのメンバーである升森敦士氏と土井樹氏、荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所代表の本間桃世氏を招き、VR作品の開発秘話や、同プロジェクトが荒川+ギンズによっていかに構想されたかについて語っていただきます。

開催日時:9月2日(金)14:30~16:00(オンライン配信なし)
場所:愛知芸術文化センターB2 大リハーサル室
申込:要予約(定員100名、予約はこちらから
※入場無料。ただし、国際芸術祭「あいち2022」(現代美術展)のチケットが必要です。

出演

本間桃世(荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所 代表、Reversible Destiny Foundation)
池上高志(株式会社オルタナティヴ・マシン 取締役・最⾼科学責任者、東京⼤学⼤学院教授)
升森敦⼠(株式会社オルタナティヴ・マシン 代表取締役、東京大学大学院特任研究員)
⼟井樹(株式会社オルタナティヴ・マシン シニアリサーチャー、東京大学大学院特任研究員、音楽家)
モデレーター:鵜尾佳奈(国際芸術祭「あいち2022」プロジェクト・マネージャー(学芸担当))

出演者プロフィール

本間桃世 Homma Momoyo
(荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所 代表、Reversible Destiny Foundation)
東京都生まれ、東京在住。武蔵野美術大学卒業後、国際機関、NGOを通じて主に海外での美術教育の仕事に携わる。Fundación PERSONA(サンホセ、コスタリカ)副代表を経て1998年に帰国後、中米・カリブ地域の美術研究、文化交流の仕事を続ける中、1999年に荒川修作と出会う。2002年に荒川修作+マドリン・ギンズの東京事務所を開設、Reversible Destiny Foundation(荒川修作+マドリン・ギンズ財団、ニューヨーク、米国)と連携を図りつつ、国内外での荒川+ギンズの活動を多方面から支える。荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所 (Coordinologist, Inc.) 代表。Reversible Destiny Foundation代表兼理事。日本レバノン友好協会理事。

池上⾼志 Ikegami Takashi 
(株式会社オルタナティヴ・マシン*取締役・最⾼科学責任者 / 東京⼤学⼤学院教授)
理学博⼠。複雑系と⼈⼯⽣命をテーマに研究を続けるかたわら、アートとサイエンスの領域をつなぐ活動も精⼒的に⾏う。⾳楽家・渋⾕慶⼀郎⽒とのプロジェクト「第三項⾳楽」「Filmachine」(2006年)「Alter」(2017年)や、写真家・新津保建秀⽒とのプロジェクト「MTM」(2010年)「LongGood-Bye」(2017年)をはじめ、活動は多岐にわたる。著書に『複雑系の進化的シナリオ』朝倉書店(1997年、共著)、『動きが⽣命をつくる―⽣命と意識への構成論的アプローチ』青土社(2007年)、『⽣命のサンドウィッチ理論』講談社(2013年)、『⼈間と機械のあいだ』講談社(2016年、共著)など。

升森敦⼠  Masumori Atsushi 
(株式会社オルタナティヴ・マシン代表取締役・東京大学大学院特任研究員)
東京大学大学院総合文化研究科修了。学術博士。人工生命の研究領域で、自律性、Agency、オープンエンド性に関するテーマで研究を行うとともに、人工生命の理論研究をベースに自律的なシステムを社会に実装することを目指している。エンジニアとしても多数のアート作品の制作やシステム開発に参加している。

⼟井樹 Doi Itsuki
 
(株式会社オルタナティヴ・マシン シニアリサーチャー/東京大学大学院特任研究員/音楽家)
1989年兵庫県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修了。学術博士。社会性生物の群れの運動や人工システム内に創発する主観的時間などのテーマで研究をするとともに、アート/音楽作品の発表を行っている。 主な展示に「Blues」Place by method( 2017年、東京)、「Bee Wee」TALION GALLERY(2020年、東京)、「陰影のリビジョン」TALION GALLERY(2021年、東京) 。主な作品に《Uonotayu》(2010年)、《Peeling Blue》( 2018年)。 また、CM、インスタレーション、展示のサウンド制作及びソフトウェアプログラミングも手がけている。

《問われているプロセス/天命反転の橋―2022 VR版》の公開について
この度、物理学者・メディアアーティストの池上高志氏を中心とした開発チームによって制作された、《問われているプロセス/天命反転の橋―2022 VR版》が「あいち2022」の会期中に4日間限定で初めて公開されます。実現しなかった荒川とギンズによる最初の建築プロジェクトを、VRで仮想体験できる機会です。

実施日時
9月3日(土)10:00~13:00、15:00~17:30
9月4日(日)10:00~13:00、15:00~17:30
9月17日(土)10:00~13:00、15:00~17:30
9月18日(日)10:00~13:00、15:00~17:30
応募者多数のため申込の受付は終了しました。